痛風とは?
症状・原因・検査をやさしく解説
血液中の尿酸が濃くなり結晶化し、関節にたまって炎症を起こすことで、関節の痛みや腫れ(痛風発作)が起こる病気が、痛風です。 このページでは、痛風で体に何が起きるのか(どうなる)、なぜそうなるのか(理由)を、できるだけやさしい言葉で説明します。
Web上に公開されている情報をもとに作成しております。万が一、間違いがあればご指摘いただけると幸いです。
作成日: 2026年10月22日
痛風とは
どうなる痛風では、老廃物である尿酸が血液中で高い濃度になり、血液に溶けきれなくなることで結晶化し、関節にたまります。この状態で炎症を起こすと、「痛風発作」という関節の痛みや腫れが起こります。 なお、血液中の尿酸が通常より濃い(尿酸値が高い)状態を、「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)」といいます。
理由尿酸は、遺伝子DNAの原材料の1つである「プリン体」という物質が、不要になってできた老廃物です。 尿酸が体の中で過剰に作られたり、腎臓から十分に排泄(はいせつ)できなかったりすると、高尿酸血症になります。
補足結晶が関節の中に落ちると、体にとって異物なので、白血球が攻撃して炎症が起こるとされています。 結晶は腎臓にたまることもあり、腎臓の働きが悪くなる「痛風腎」や、腎臓・尿管の結石が起こることもあります。 関節の周りや皮膚の下にできる結節は「痛風結節」と呼ばれます。
補足肥満の人、高血圧の人、LDLコレステロールや中性脂肪が高い人も、痛風の人や尿酸が高い人に多いことがわかっていると説明されています。 これらが痛風や高尿酸血症と直接関係しているのか、間接的な関係なのかについては、最終的な結論は今後の研究に委ねる必要があるとされています。
補足男女ともに、血清尿酸値が7.0mg/dLまでは基準値内で、これを超えると高尿酸血症と呼ばれると説明されています(「7.0mg/dL以上」とする説明もあります)。
補足血清尿酸値が持続的に7.0mg/dLを超えるものの、痛風発作など症状がない状態は、「無症候性(むしょうこうせい)高尿酸血症」と呼ばれます。
補足痛風は、男性に多い病気とされています。
痛風の症状
どうなる痛風発作では、次のような変化が出ることがあります。
- 関節の痛みや腫れ(足の親指の付け根に起こりやすいとされています)
- 突然の激しい痛みで始まり、じっとしていても痛む
- 痛みの強いところの皮膚の赤み(発赤)と、熱っぽい感じ(熱感)
理由関節の中に落ちた針のような形の結晶は、体にとって異物です。これを排除しようとして白血球が攻撃し、炎症が起こるため、痛みや腫れが出ると説明されています。
補足発作のときに測った尿酸値が、正常のこともあるとされています。尿酸が高い状態が長く続いて、関節に結晶がたまっていれば、尿酸値が正常のときでも、結晶が関節に落ちて発作が起こりうる、と説明されています。
補足尿酸が高い状態が長年続くと、発作が繰り返されるだけでなく、関節の周りに「痛風結節」と呼ばれるコブができる、という説明もあります。
痛風の原因
どうなる痛風の背景にある高尿酸血症は、尿酸が体の中で過剰に作られる場合と、腎臓から十分に排泄されない場合があります。 原因が「作られすぎ」か「排泄の低下」かを見分ける検査もあります。
考えられていること(生活習慣)高尿酸血症の原因は、一般的に生活習慣の乱れによるものが大半、と説明されています。 食事ではアルコール、特にビールのとり過ぎが原因としてよく知られているとされ、肉類にかたよった食事内容でも尿酸値が高くなる、と説明されています。 このような食生活を送っている人は、体重が増え気味なことが多く、その結果、高尿酸血症は肥満の人に合併する傾向がある、と説明されています。
考えられていること(体質)一方、お酒を飲まず食べ過ぎもしなくても痛風になる方がいて、尿酸が増えやすい体質的な要素がある、という説明もあります。 また、個人の努力が足りないとか、食養生が長続きしないといった単純な問題ではないことも事実、と述べられています。
補足生活習慣以外の原因として、一部の薬、腎臓の働きが悪い状態、ほかの病気なども挙げられています。
補足痛風の発作は、食生活がきっかけになることがあるとされています。食べ過ぎやお酒の飲み過ぎで尿酸値が短期間に大きく変動し、それが発作を誘発することがある、という説明です。
痛風の検査で分かること
どうなる高尿酸血症は、血液検査で診断します。 痛風は、症状や腫れ具合をみながら診断が進められます。 以前から高尿酸血症があったかどうかが、痛風の診断のポイントとされています。
補足次のような検査が紹介されています。このページでは、分かりやすいように、3つに分けて示します。
高尿酸血症の診断のための検査
- 尿酸値を血液検査で調べ、基準値と比較することで、高尿酸血症に該当するかを調べる、と説明されています。
原因を見分ける検査
- 高尿酸血症の原因が、尿酸の作られすぎか、排泄の低下かを調べる、と説明されています。
腎臓・尿の検査
- 腎臓に、結石や尿酸の沈着、腎萎縮(じんいしゅく)がないかを調べる、と説明されています。
- 尿酸は、尿が酸性になると溶けにくくなるので、尿のpHを調べる、と説明されています。
高尿酸血症・偽痛風とのちがい
どうなる(高尿酸血症と痛風)高尿酸血症は、血液中の尿酸が通常より濃い状態のことです。 痛風は、その状態を背景に、尿酸の結晶が関節にたまって炎症を起こし、関節の痛みや腫れ(痛風発作)が起こる病気です。 高尿酸血症があっても、痛風発作など症状がない状態は「無症候性高尿酸血症」と呼ばれます。
どうなる(偽痛風)痛風発作に似た、まぎらわしい病気があります。その1つが「偽痛風(ぎつうふう)」です。 偽痛風は、尿酸の結晶ではなく、ピロリン酸カルシウムという物質が関節にたまって炎症を起こすのが原因です。 痛風と同じような関節炎の症状を起こしますが、高尿酸血症が見られないことから名付けられました。
補足偽痛風の症状として、高齢者の大きな関節(主に膝)に強い痛みが起こり、発熱、関節の腫れ・赤み、動かしたときの痛みがみられる、と説明されています。
補足偽痛風は、レントゲン写真や関節内の液体の成分を調べることによって診断します。その際、炎症を起こしている関節から採った体液の中に尿酸の結晶がないことを確かめて、痛風を除外する、と説明されています。
用語かんたん解説
- 尿酸(にょうさん)
- 遺伝子DNAの原材料の1つである「プリン体」が不要になってできた老廃物。
- プリン体
- 遺伝子DNAの原材料の1つになる物質。体の中で作られるほか、食べ物にも含まれます。
- 尿酸値・血清尿酸値
- 尿酸の血液中の濃度。健康診断などの結果には、「尿酸値」や「血清尿酸値」と書かれています。
- 高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)
- 血液中の尿酸が通常より濃い(尿酸値が高い)状態。
- 無症候性高尿酸血症(むしょうこうせいこうにょうさんけっしょう)
- 血清尿酸値が持続的に7.0mg/dLを超えるものの、痛風発作など症状がない状態。
- 痛風発作
- 結晶が関節にたまって炎症を起こし、関節の痛みや腫れが起こること。
- 尿酸の結晶(針状結晶)
- 溶けきれなくなった尿酸が、針のような形の結晶になったもの。
- 痛風結節(つうふうけっせつ)
- 関節の周りや皮膚の下にできる結節(コブ)。
- 痛風腎(つうふうじん)
- 結晶が腎臓にたまって、腎臓の働きが悪くなること。
- 偽痛風(ぎつうふう)
- 尿酸の結晶ではなく、ピロリン酸カルシウムという物質が関節にたまって炎症を起こす病気。痛風と似た関節炎の症状が出るが、高尿酸血症は見られない。
痛風の治療について
日本痛風・核酸代謝学会(現:日本痛風・尿酸核酸学会)が、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」を作成しています。 このページの治療の説明は、病院やクリニックが公開している解説をもとにしています。
どうなる痛風の治療は、痛風発作の治療と、高尿酸血症の治療の二つに分けられます。 発作の痛みに対しては、痛み止めの薬が使われます。
補足(尿酸の薬)高尿酸血症の治療に使われる尿酸の薬は、大きく2種類に分けられます。体の中で尿酸が作られ過ぎるのをおさえる薬と、尿中への尿酸の排泄をうながす薬です。 尿に尿酸がたくさん排泄されているのに尿酸値が高い場合は、尿酸が作られ過ぎるのをおさえる薬、尿への排泄が悪い場合は、排泄をうながす薬が使われる、と説明されています。
補足(生活習慣)食事などの自己管理は、痛風治療の重要なキーポイントとされています。高尿酸血症の治療では、生活習慣を改善することが最も大切、という説明もあります。 次のような項目が挙げられています。
- 食事 — プリン体を多く含む食品のとり過ぎに気をつける、という項目が挙げられています。
- アルコール — 特にビールの飲み過ぎは禁物、とされています。過食や飲酒の習慣は是正する、という説明もあります。
- 体重 — 肥満の方は、適切なカロリー摂取を心がけ、徐々に体重を落とす、という項目が挙げられています。
- 水分 — 水分をよくとる、という項目も挙げられています。
- 運動 — 有酸素運動をすすめる、という項目も挙げられています。
補足(症状がない場合)症状がない高尿酸血症(無症候性高尿酸血症)の治療、特に薬による治療については、議論があるとされています。 まずは、プリン体摂取の制限、アルコール摂取の節制、適正体重の維持などの食事療法や減量指導が推奨される、という説明があります。 薬による治療を始めるかどうかは、尿酸値の高さや合併症の有無を総合的に見て判断される、とされています。
お薬や治療、食事・運動などの内容は、一人ひとりの状態によって異なります。必ず医師にご相談ください。
よくある質問
- 高尿酸血症と痛風は同じ病気ですか?
- どうなる同じではありません。 理由高尿酸血症は、血液中の尿酸が通常より濃い状態のことで、症状がない場合(無症候性高尿酸血症)もあります。痛風は、尿酸の結晶が関節にたまって炎症を起こし、痛みや腫れ(痛風発作)が起こる病気です。
- 痛風発作は、どこに起こりますか?
- どうなる足の親指の付け根に起こりやすいとされています。足首や膝に起こることもあり、手首や肘など腕の関節に起こることもあります。
- 尿酸値が正常でも、痛風発作は起こりますか?
- どうなる発作のときに測った尿酸値が、正常のこともあるとされています。 理由尿酸が高い状態が長く続いて、関節に結晶がたまっていれば、尿酸値が正常のときでも、結晶が関節に落ちて発作が起こりうる、と説明されています。
- 痛風は、お酒や食べ過ぎが原因ですか?
- どうなる説明に、力点の違いがあります。高尿酸血症の原因は、一般的に生活習慣の乱れによるものが大半、という説明があります。 一方で、お酒を飲まず食べ過ぎもしなくても痛風になる方がいて、尿酸が増えやすい体質的な要素もある、という説明もあります。
- お酒は飲んではいけませんか?
- どうなる特にビールの飲み過ぎは禁物、とされています。 また、お酒はいくつかの点で痛風のマイナス要因になるとする一方、アルコールに対する強さにはかなり大きな個人差がある、とも説明されています。 補足このページでは、具体的な量の目安は示していません。医師にご相談ください。
- 症状がないのに、尿酸値が高いと言われました。
- どうなる症状がない高尿酸血症は、「無症候性高尿酸血症」と呼ばれます。 症状がない場合でも、尿酸値が高い状態が続けば、将来的に痛風発作(関節炎)や尿路結石、腎機能低下などを招くリスクがあるとされています。 その治療、特に薬による治療については議論があるとされ、まずは食事療法や減量指導などが推奨されると説明されています。薬による治療を始めるかどうかは、尿酸値の高さや合併症の有無を総合的に見て判断される、とされています。
- 偽痛風とは、どう違いますか?
- どうなる偽痛風は、尿酸の結晶ではなく、ピロリン酸カルシウムという物質が関節にたまって炎症を起こす病気です。 痛風と同じような関節炎の症状が出ますが、高尿酸血症が見られないことから名付けられました。 くわしくは、上の「高尿酸血症・偽痛風とのちがい」をご覧ください。
- 治療中に、関節の痛みや腫れが出たときは?
- どうなる治療中に関節痛や腫れなど、痛風発作が疑われる症状が出た場合は、速やかに主治医に相談する、と説明されています。
出典・参考文献
引用元は、本ページの内容を保証するものではありません。取得日はすべて2026年10月21日です。
- Mindsガイドラインライブラリ「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」 minds.jcqhc.or.jp
- 慶應義塾大学病院 KOMPAS「痛風・高尿酸血症」 kompas.hosp.keio.ac.jp
- 日本リウマチ学会「偽痛風」 ryumachi-jp.com
- 痛風・尿酸財団「痛風にはどんな合併症がありますか?」 tufu.or.jp
- 痛風・尿酸財団「血清尿酸値の正常値は?」 tufu.or.jp
- 両国東口クリニック「高尿酸血症・痛風治療のガイドライン」(クリニックによる紹介ページ。ガイドラインの版の記載なし) higasiguti.jp
- みどりヶ丘病院「痛風外来で行なわれる検査」 midorigaoka.hospital
- みどりのふきたクリニック「無症候性高尿酸血症の管理指針まとめ」 fukitaclinic.com